ポケットの中の戦争

先週から、ネットで「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」を見ています。初見です。

なんて言うか・・・「辛い」話です。
何が辛いかというと、「戦局に何の影響も与えなかった」ってことが辛い。

もし
ガンダムを破壊したことでサイド6への核攻撃が阻止されたとしたなら。
アレックスがアムロの元に送られて、終戦を早めるために役立ったとしたなら。
逆に、サイクロプス隊の作戦が成功して戦争がもっと膠着化したのなら。

一つでも「もし」が、かなっていたのなら。
サイクロプス隊の作戦も、バーニィの努力も、アルのがんばりも、クリスのやるせなさも、無駄ではなかったと思う。

けど。

ガンダムが破壊されようがされまいが、ジオン本隊は核を使った。
連邦が作り上げたアレックスは、決戦には使われなかった。
サイクロプス隊は、初めから「捨て駒」でしかなかった。

サイド6での戦いは最終決戦に何の影響も与えない。
死んでいった者などお構いなしに、0080年終戦協定は結ばれた・・・

私にとって、アルは、最初「嫌な子」でした。
平和なサイド6で幸せに暮らしているアルには、戦争は遠い世界のこと。
かっこいいこと。
今このとき、ホワイトベースは苦戦を強いられているというのに。
たくさんの人たちが戦っているというのに。

バーニィと出会って、サイクロプス隊に無理矢理参加する。
それは、「戦争ごっこ」
ホント、ごっこなのよね・・・ドキドキの中にも、ほのぼの。
バーニィとアルは、本当の兄弟のようで、ほほえましい。
だんだん、アルの元気な子供らしさが、ちょっと鬱屈しているところも含めて好ましく思えてきた。
バーニィとクリスが、お互いを意識しているのも、ほほえましい。
サイクロプス隊のみんなも、いい人たち。
だからこそ、ルビコン作戦以降が、余計に辛いのです・・・・

バーニィが残したディスクのメッセージ、泣きました。
「連邦軍の兵士やガンダムのパイロットを恨んだりしないでくれ」
そう。憎むべきは、連邦軍ではない。
戦争そのもの。

バーニィが死んだって、戦局には何の影響も与えない。
「このジオン兵は、サイド6を核攻撃から守るために、ガンダムと戦って死にました」
そんなこと、アルを除いたら誰にもわからないんですから。

バーニィは「サイド6を守ろうとした孤高のヒーロー」ではないし、
クリスは「ガンダムのテストパイロット」でしかない。
当たり前の人たちが、自分たちが与えられた「仕事」をしたまでのこと。
「仕事」ということばが現実的すぎるなら「役目」と言い換えてもいい。

当たり前の人たちが、当たり前のことをする。
なのに、たいせい(体制もしくは大勢)は変わらない。
当たり前の人たちの、なんと小さなことなのか。


アルの痛みは、私自身の痛みでもありました。
戦争を自分とは関係のないもののように思っている自分を自覚しているからこそ、アルが疎ましくて、アルの痛さがわかるのです。

戦争の「本当」を、アルは知った。
・・・だから。

バーニィ、アルは大丈夫だよ。
[PR]
by m_n_erin | 2005-12-20 21:38 | 0080 | Comments(0)